Dさんは市役所へとある相談に来ていますよ。
私が相談にのりますよ。
今回は
- 生活保護ってどんなもの?
- 生活保護者でも引っ越しができる?
の2つについて紹介していきますね。
目次
そもそも生活保護ってなに?
でも、具体的にはどんなものなのかわからないので教えてもらえますか?
様々な理由があって、日常生活を送る上でお金が足りない人に金銭やサービスを提供し、サポートをさせていただいています。
もちろん、たくさんのお金は渡せないので、最低限の金額になりますよ。
お金だけ渡されるのだと思っていました。
ちなみに、それ以外にはどんなものが給付されるんですか?
どんな補助を受けられるの?
お金で渡されるものと、そうでないものをチェックしていきますね。
扶助の種類 | 内容 |
生活扶助 | 食費・光熱費など日常生活に必要となる金銭がもらえる。 |
住宅扶助 | アパートなどの家賃を受け取れるもの。
上限があるので、お住まいの役所に確認が必要。 |
教育扶助 | 保護を受けている家庭の児童が、義務教育を受けるためのもの。 |
医療扶助 | 病院の受診を必要とするときに、窓口での負担無しで医療を受けることができる。 |
出産扶助 | 保護を受ける人が出産するときの費用を受け取れる。 |
介護扶助 | 保護を受ける人が要介護、要支援認定を受けた場合にサービスが受けられる。 |
生業扶助 | 就労する上で、必要な技能を習得するための費用をもらえる。
高等学校の授業料等もこちらから支払われる。 |
葬祭扶助 | 葬儀を行う必要性があるときに支払われる。 |
経済的に助けるという意味がありますよ。
月に数回通院しているので、病院代まで助けてくれるなんてありがたいです。
ちなみに、生活扶助のお金がどのくらいもらえるのか気になります…。
聞いても大丈夫ですか…?
生活費としてもらえる金額はいくら?
表は例なので、お住まいの地域等によって多少の増減がありますよ。
なにか条件があったりするんですか?
どんな人が保護の対象になるの?
- 土地や車などの資産がない人
- ありったけのお金(給料や何かを売って得たお金など)をかき集めても、最低限度の生活ができない人
- 何らかの理由(病気等)があって働けない人
- 生活保護以外に利用できる公的制度がない人
- 親族に金銭的なサポートを受けられない人
こちらはあくまでも目安なので、参考程度にしてくださいね。
でも、生活保護以外に使えるものっていうのは考えていなかったです。
条件の1つにあるように、他の生活を助けてくれる制度を利用できるようであればそちらを勧められます。
困っている人は、一度お近くの役所に相談してみるといいですよ。
生活保護を受けるには、どうすればいいんでしょうか?
手続きがすごく大変なイメージがありますけど…。
生活保護を受けないと生活できない…なにをすればいい?
どんな手続きが待っている?
- 住んでいる地域の福祉事務所(※1)に相談しに行く
- 必要な書類を提出
- 資産や就労状況等を調査し、審査が行われる
- 受給できるかどうか結果が通知される(申請してから2週間~1ヶ月程度かかる)
福祉全般を取り扱っているところです。
子ども・高齢者・障がい者・生活保護受給者・片親家庭など様々な人をサポートしていますよ。
困ったことがあったら、足を運んでみるといいですよ。
きっと大きな力になってくれるはずです。
まずは、相談から始めてくださいね。
とても参考になります!
ちなみに、福祉事務所はどこにあるんですか?
福祉事務所の生活保護を担当する部署で、生活保護に関わる業務を行う人のことを指しますよ。
今度行ってみようと思います。
そのとき必要になるものはありますか?
なにを持っていけばいい?
くれぐれも忘れ物がないようにお願いしますね。
- 生活保護の申請書・申告書・同意書などの書類
- 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど顔写真付きのもの)
- 健康保険証
- 印鑑(スタンプ式不可)
ほんの一例ですが、下記のようなものを持っていくといいですね。
お金がないことがわかるもの |
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失業していることがわかるもの |
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病気であることがわかるもの |
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離婚していることがわかるもの |
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住民票以外ならすぐに持っていけるものばかりなんですね!
てっきり、弁護士をつけて一筆書いてもらわないといけないのかと思っていたので安心しました。
お金絡みのお話なので、Dさんのようにすごく堅い話だと思っていた人も多かったのではないでしょうか?
証明になるものを持っていけばOKなので、弁護士などは必要ないんですよ!
車や家を持っていたらダメって本当!?
しかし、そこから引っ越すにも当然費用がかかってしまいます。
そのため、引っ越し費用や家賃が高くついてしまう場合は、現在の家に住み続けることができますよ。
普通の一戸建てだから大丈夫だと思いたい…。
あと、車もあるんですけどマズいですか?
近くのバス停があるんですけど、4時間に1本しかないのでちょっと困るんですけど…。
持ち家と車に関しては、原則NGということになりますよ。
しかし、場合によってはOKになることもあるので詳しいことは福祉事務所で確認してみてくださいね。
生活保護を受けていても引っ越しはできる?
引っ越し費用を受け取るためには条件付き!?
そのためには、16個の条件のいずれかに当てはまっている必要がありますよ。
そうでないと、引っ越し費用の補助金が1円たりとももらえなくなってしまいます。
もちろん、これら以外にも認められる場合もあるので、ケースワーカーに相談してみてくださいね。
- 入院している人が、退院して住む家がない場合
- 家賃が決められた上限額より高く、ケースワーカーの指示で引っ越す場合
- 国や市町村などから、道路や歩道の拡張等で立ち退きを言い渡され、転居せざるを得ない場合
- 仕事をリストラ等で退職し、社宅や社員寮等から転居する場合
- 住んでいる家が、老朽化や破損で住み続けることが無理だと認められた場合
- 火災や自然災害で住居がなくなったり、大きく破損し住めないと認められた場合
- 離婚等の理由で、新しく住む家が必要になった場合
- 住人の数と家の広さが明らかに合っていない場合(例:カラオケボックスの一室くらいの広さの部屋に、10人家族が住んでいる)
- 住む家がなく、知人や親族の自宅に住まわせてもらっていた人が転居する場合
- 病気の療養上の環境が騒音等で悪すぎると認められる場合または身体障害者がいる家庭で、設備等が住むのに適切ではない場合(例:車いすを使用しているのに、エレベーターがない)
- 生活保護を受けている人が家で生活するのが難しくなり、老人ホーム等に入居せざるを得ない場合
- 社会福祉施設等から退所するときに、行き場がない場合(施設に入所した目的を達成した場合のみ※3)
- 大家さんが建物の老朽化等で取り壊すので退去してほしいと言われた場合
- 勤める会社までが遠距離で、会社の近くに引っ越せば収入の増加等が見込める場合
- 定額または無料の公的な宿泊所を利用していたが、アパート等でも生活できると福祉事務所が判断した場合
- 介護が必要な高齢者が親族に面倒を見てもらうため、親族の家の近くに引っ越す場合
例:身体や精神上に障がいがあり、日常生活を営むのが困難で施設入所となったが、訓練を経て地域に戻って生活できるようになった。
ちなみに、社会福祉施設には
- 障害者支援施設
- 特別養護老人ホーム
- 児童福祉施設(乳児院や児童養護施設)
などがありますよ。
やっぱり引っ越しはそう簡単にはできませんよね。
もし、条件を満たして引っ越しするときはどのような順番で手続きをしていけばいいんですか?
引っ越しまでの流れはどんな感じ?
まずは、担当のケースワーカーに相談していただけるといいですよ!
- 役所から引っ越しの許可を得る(ケースワーカーに相談する)
- インターネットや不動産会社で新居を探す
- 住む家が決まったら、不動産会社で2つの書類(お部屋の住所・間取り・家賃が記載されたもの、契約時の見積書)を出してもらう。
- もらった書類をケースワーカーに提出する(2~3日で判定結果が伝えられる)
- OKであれば、引っ越し業者を探す
- ライフライン(水道・ガス・電気)の開通手続きをする
- 住宅契約書と契約時の領収書をケースワーカーに提出する
特に、県外や市外への引っ越しの場合にそのようなケースが多いようです。
ただ、引っ越し先の自治体が受け入れてくれるかどうかが重要なポイントの1つになります。
また、管轄(かんかつ)が変わってしまうので、面倒な手続きが多くなってしまいますね。
引っ越しは簡単ではないんですね…。
【実話】生活保護を受けながら引っ越ししました!
うちの子は生まれつき障がいがあるんです。
普通の子たちと同じ小学校に通わせようと考えていたんです。
しかし、ひどいことに入学を断られてしまいました…。
ケースワーカーに相談して、学校を探してもらいました。
運良く隣町の小学校でOKが出て、無事入学できました。
家からだと遠すぎるということもあり、引っ越しをさせていただきました。
もちろん手続きはたくさんあって大変でしたが、子どものためにと思って乗り切りました。
あのとき対応していただいたケースワーカーには、感謝しかありません。
私もそういう目で見られちゃうのかなぁ…。
でも、お子さんが小学校に行くことができて本当に良かったですね!!
ケースワーカーとのやり取りは、非常に大切だと教えていただきました。
【番外編】引っ越しの壁!部屋を借りるには○○○がいないとダメ!?
まとめ
生活保護とは
- 生活保護には8つの扶助がある
- 医療扶助と介護扶助は、現金ではなくサービスそのものが提供される
- 生活保護を申し込みたいときは、福祉事務所に行く
- 家や車を所有する人は原則NG
生活保護受給者が引っ越しをする場合
- 生活保護を受けていて、引っ越しをする場合は条件を満たす必要がある
- 役所の許可が絶対に必要
- 県外や市外への転居は難しい場合がある
生活保護は、どんなときに使えるものだったか覚えていますか?
そう、他に生活を助けてくれる公的制度がない場合に使える、最後の切り札のようなものでしたね。
本当に本当に困っている人のためのものなので、不正受給なんて絶対にしてはいけませんよ!!
制度の適切な利用を心がけたいですね。
まだ直接引越業者に電話見積もりをしているんですか?
その判断、めちゃめちゃ損ですよ。
引越業者が提示する金額が、一番安いとは限りません。
むしろ営業マンは「価格交渉をすることを前提」で話すので、何も知らないでいると「本来の2倍以上」お金を取られてるかもしれませんよ。
仮に単身引越しの金額が10万円と言われた場合、ホントは5万円程度で引越しができたかもしれません。
その差は5万円です!
お得に引っ越す方法を知らないだけで、悲劇が待っています。
働いて稼ぐとしても、時給1,000円として頑張っても50時間も必要です。
1ヶ月のうち4分の1も、タダ働きになっちゃいますよ。
逆に5万円あったら、何をしようかな?もし引越し先にエアコンが無くても、あなたに知識があったお陰で、ほぼ無料で手に入りますよ。
引越しを頑張ったんだから、ご褒美に美味しいものを食べちゃいましょう!
上手に引越しをする人は、これと言って難しいことをしている訳ではありません。
「一括見積もりサイト」を活用して、「価格交渉をする」たったこの2つだけです。
どんな見積もりサイトが良いのか?
あなたに合ったベストな見積もりをしましょう!
病気持ちだから働けないし…
まだ小さい子どももいるのに…
私どうすればいいんでしょうか…