仏壇はタンスやベッドなどと同じように家具として運んではいけないことをご存じでしょうか?
「絶対守らなければならない!」というわけではないけれど、知っているだけでも安心するわよ。
目次
なぜ仏壇は運んではいけない?
日頃私たちが仏壇に手を合わせて拝んでいるのは、仏壇に仏様や故人の魂が宿っていると信じているからなんです。
引越し作業は、仏壇内が揺れ、仏様の居心地は悪くなってしまいます。
そのため、仏様や故人の魂が入った状態で仏壇は動かしてはいけないとされているんですよ。
一時的に仏壇から魂を抜く供養をすることで、仏壇は魂の宿らないただの箱という扱いになり、はじめて運ぶことができるのです。
仏壇を運ぶためには供養が必要
仏壇を運ぶためには、お寺の僧侶さんに仏壇から魂を抜いてもらう「魂抜き」(宗派により「閉眼供養」「精抜き」「お性根抜き」とも呼ばれます)と呼ばれる供養をしてもらわないといけませんよ。
新居に仏壇を運んだら、魂をお迎えする「魂入れ」(「開眼供養」「お性根入れ」「入仏式」)を行います。
仏壇を供養する作法は宗派によって違いますが、10分から20分程度の「お経をあげて供養してもらう」という大まかな流れは同じになります。
供養は、49日や年回忌などの法要でお世話になっているお寺にお願いする人が多いです。
もし引越し先が遠方で魂抜きを依頼したお寺にお願いできない場合は、引越し先の近くのお寺を紹介してもらってくださいね。
仏壇を運ぶ手段
- 仏壇専門の引越し業者に頼む
- 仏壇販売店に頼む
- 一般の引越し業者に頼む
- 自分たちで運ぶ
仏壇専門の引越し業者、仏壇販売店に頼む
仏壇の引越しに慣れているので、安心しておまかせすることができますよ。
しかし、費用は大きな仏壇だと10万円前後と割高になってしまいます。
これらの業者は全国展開していることが少ないので、その業者の所在地から遠距離になるほど、運搬料金も高額になる可能性がありますよ。
一般の引越し業者に頼む
すべての業者が引き受けてくれるわけではないようです。
引き受けてくれた場合でも、スタッフが仏壇の扱いに慣れていないこともあるので注意が必要ですよ。
また、仏壇を「美術品」として扱う会社が多いため、通常の家具より費用が高くなります。
中には仏壇の移動のみ専門業者に依頼している会社もあり、オプション料金が発生してしまうこともありますよ。
それでも費用は大きな仏壇でも2万円程度なので、費用重視なら引越し業者に頼むのも一つの方法ですね。
業者に依頼する場合、仏壇の大きさのほかに、移動距離や引越し時期も費用に影響します。
事前に複数の業者に見積もりを取り、検討するといいですよ。
自分たちで運ぶ
自分たちで運ぶ場合、仏壇の梱包材費用やガソリン代(もしくはレンタカー代)くらいで、大きな費用はかかりませんよ。
しかし、仏壇は引越し業者が取り扱いに注意が必要とされる「美術品」扱いとするほど、壊れやすいものです。
素人が適当に持ち破損すれば、修理費用が高くついてしまいます。
リスクが大きいため、専門業者に任せた方が安心ですね。
仏壇を引越すための準備(引越し1か月前)
- 供養の依頼
- 仏壇を運ぶ手段を決める
供養の依頼
引越し当日は忙しいため、魂抜きの供養は引越しの1週間前から前日くらいまでに行うのが一般的なようです。
お寺の都合もあるので、引越しが決まったらなるべく早く依頼するといいですよ。
引越し予定日の1か月前には依頼しておくと安心です。
魂入れの供養の依頼も忘れずにしておく必要がありますよ。
仏壇を運ぶ手段を決める
複数の業者に見積もりを依頼し、信頼できる業者を選ぶことをおすすめしますよ。
事前に仏壇を運ぶルートを確認しておくと、当日慌てませんよ。
仏壇のサイズや、エレベーターや階段、廊下やドアのサイズを測っておくといいですよ。
仏壇を引越すための手順(引越し1週間前~引越し後)
- 魂抜きの供養をしてもらう
- 仏像全体の写真を撮影する
- 仏具を取り外す、梱包する
- 仏壇を運ぶ
- 仏具を元に戻す
- 魂入れの供養をしてもらう
②仏像全体の写真を撮影する
取り外した仏具を元に戻すときに、とても便利ですよ。
③仏具を取り外す、梱包する
取り外した仏具は、タオルや緩衝材などで包み丁寧に扱えば、ほかの荷物と同様にダンボールに詰めても問題ありませんよ。
取り外せない仏具は、揺れないよう固定するか、タオルなどを巻いて仏具内が傷つかないようにしてくださいね。
ご本尊や位牌、遺影は、白い布などで包み自分で運ぶことが望ましいです。
ダンボールに詰めて万が一破損した場合、補償が受けられない可能性が高いので取り扱いには注意が必要ですよ。
ご本尊…ごほんぞん。仏さまの仏像や掛け軸。
位牌…いはい。仏壇の中にある戒名の書かれた札。
遺影…いえい。故人の生前の姿をうつした写真。
④仏壇を運ぶ
仏壇は旧居から全ての荷物を出し終えた後、家から運び出します。
そして新居に入れるときは、一番最初に家に搬入してくださいね。
仏壇を運ぶ作法として、トラック内に放置される時間をできる限り短くするべき、とされています。
トラックで運搬する場合は、仏壇を横にしたり、うつ伏せの状態にするのは避けてくださいね。
仏壇が破損する恐れがあります。
どうしても縦のまま運べない場合は、仰向けにして乗せます。
仏壇の運搬の作法を知らない場合があるので、事前に打ち合わせしておくと安心です。
仏壇の引越しには、お布施代もお忘れなく
- お布施
- お車代(交通費)
- お食事代
お布施は宗派によって異なりますが、1万円〜3万円が相場ですよ。
また、供養のために僧侶さんに自宅に来てもらう必要があるため、別途お車代(交通費)も発生します。
お車代も宗派によって異なりますが、5千円が相場です。
さらに宗派によっては、お食事代(5千円が相場)も必要になる場合がありますよ。
これらの費用は、お寺によっては金額をはっきり提示しているケースも多いです。
金額に悩むようなら「皆さんどのくらいお渡ししていらっしゃるのでしょうか」とお寺に聞いても失礼ではありませんので、相談してみてくださいね。
だから、魂抜きと魂入れそれぞれでお布施やお車代が必要になるわ。
たとえば、魂抜きにかかった費用が3万円だった場合、魂入れも合わせると合計で6万円必要ということになるわね。
お布施とお車代はそれぞれ別の封筒に包むようにしてくださいね。
お布施は、市販の白封筒やお布施用の不祝儀袋に入れます。
直接、布施袋を手渡しするのはマナー違反なので、切手盆という小さなお盆に乗せるか、袱紗(ふくさ)の上に乗せてお渡しするといいですよ。
供養は必ずやらなければいけないの?
仏様を大切に思う気持ちさえあれば、供養を行わなくてもよいとする宗派もあるわ。
形式的な儀式をしないことが、仏様を軽く扱うということに繋がるわけではないのよ。
だけど、仏教の習慣を重んじる家庭や親戚も多いから、みんなが納得できるよう話し合って決められるといいわね。
まとめ
- お寺の僧侶さんに魂抜き・魂入れをしてもらう
- 仏壇の運搬はできれば自力ではなく、業者に頼む
- 仏壇の運搬には作法がある
- お布施代も忘れずに用意する
- 供養は絶対ではない
仏壇の引越しは、一般的な家具とは違い、やること、気を付けなければならないことがたくさんあります。
しかし、なによりも大事なのは、仏壇に宿っている仏様や故人を思い遣る気持ちです。
後悔のない気持ちの良い引越しができるといいですね。
まだ直接引越業者に電話見積もりをしているんですか?
その判断、めちゃめちゃ損ですよ。
引越業者が提示する金額が、一番安いとは限りません。
むしろ営業マンは「価格交渉をすることを前提」で話すので、何も知らないでいると「本来の2倍以上」お金を取られてるかもしれませんよ。
仮に単身引越しの金額が10万円と言われた場合、ホントは5万円程度で引越しができたかもしれません。
その差は5万円です!
お得に引っ越す方法を知らないだけで、悲劇が待っています。
働いて稼ぐとしても、時給1,000円として頑張っても50時間も必要です。
1ヶ月のうち4分の1も、タダ働きになっちゃいますよ。
逆に5万円あったら、何をしようかな?もし引越し先にエアコンが無くても、あなたに知識があったお陰で、ほぼ無料で手に入りますよ。
引越しを頑張ったんだから、ご褒美に美味しいものを食べちゃいましょう!
上手に引越しをする人は、これと言って難しいことをしている訳ではありません。
「一括見積もりサイト」を活用して、「価格交渉をする」たったこの2つだけです。
どんな見積もりサイトが良いのか?
あなたに合ったベストな見積もりをしましょう!
「仏壇を移動した後で、なにか良くないことが起こってほしくないし…」と不安がっていたのよね。